ゴエもんの栄養学|ほそごえハートクリニック|八戸市大字尻内町の内科・循環器内科

〒039-1101 青森県八戸市大字尻内町直田41-1
0178-38-9461
WEB予約
ヘッダー画像

ゴエもんの栄養学

ゴエもんの栄養学|ほそごえハートクリニック|八戸市大字尻内町の内科・循環器内科

八戸循環器医師が教える心臓リハビリへの栄養学

 

細胞レベルでの考え

私たちが生きていく上ではエネルギー産生が必要です。エネルギーはどこから産生されるのでしょうか。

人は細胞の塊・・・細胞が生きて我々が生きている。エネルギーを生み出すための細胞を見直してみましょう。

三大栄養素

三大栄養素言えますか。糖質・脂質・タンパク質ですね。

三大栄養素は、私たち人間の生命維持や身体活動などに欠かせないカロリー源となり、ATP(アデノシン三リン酸)に変換されます。また、カロリーとして燃焼されないものは、生体内で重要な機能を有する分子や組織として存在します。私たちの身体はタンパク質でできています。タンパク質をエネルギー源として利用しては身体が機能しなくなります。カロリー源としては糖質と脂質を有効に利用し、摂取したタンパク質をできるだけカロリー源として用いず、生体の構造維持や機能向上のために有効に利用することが大事であり、この考えがオーソモレキュラー栄養学と言えます。

糖質からのATP産生

糖質からATPを産生するためにはグルコースからの代謝産物であるピルビン酸からいろいろな補酵素を介して産生されます。補酵素で処理できない糖質が食材から供給された場合、ピルビン酸は大量の乳酸に変換されます。

マラソンランナーは乳酸からもATPを産生でき、乳酸の血中濃度は低下しています。だから長距離一定のリズムで走れるのですね。ここではビタミンB1の不足によってピルビン酸処理が低下し、乳酸過剰状態となります。

タンパク質からのATP産生

タンパク質は身体の主な構成成分であり、多くの酵素やホルモンなど生体機能の調節にも深くかかわるので、摂取したタンパク質をできるだけカロリー源として燃焼しないようにしなければなりません。タンパク質以外の栄養素からのATP産生が不足している場合は、糖原生アミノ酸はピルビン酸となり、ケト原生アミノ酸はケト酸となることによってATPが産生されます。ピルビン酸からグルコースを作る過程は糖新生といいます。血糖維持には重要な反応です。ここでかかわる補酵素はビタミンB6です。ビタミンB6の不足によって血糖値の低下が起こりやすくなります。

脂質からのATP産生

食材に含まれる脂質も私たちの体内の多くの脂質も、トリグリセリド;TGとして存在しています。トリグリセリドからは容易に脂肪酸が供給され、ATPが産生されます。その過程をベータ酸化といいます。ここでかかわる補酵素はビタミンB2です。また、ビタミンCや鉄もかかわっており、不足によって脂質の利用障害が起こります。

最近注目の中鎖脂肪酸から生成されるケトン体はATP産生する過程でビタミンCや鉄を必要としないため、良質な脂質です。

健康診断の採血で見る項目

・ALT;関連するビタミン B6

・LDH;関連するビタミン B3(ナイアシン)

・総コレステロール(T-cho);高いほど多くの物質への合成能がしっかり機能しています

・TG;空腹時TG値はカロリー過剰として見ているが、利用障害の要因でも上昇します

 

三大栄養素からATP産生まで、ビタミンB群は重要な栄養素ですが、単独では効果が乏しく、複合体(ビタミンBコンプレックス)として摂取することの重要性が理解できますね。